歯科業界の“今後”については、様々な噂があります。

 

今、よく聞くのが、「歯科医は儲からない」という話です。高収入というイメージが強い歯科医ですが、その実態は、必ずしもそうではない様子…。経営の力量なども問われます。

 

■歯科医はなぜ「儲からない」と言われるのか

現在、日本に存在する歯科医院は、2014年8月の厚労省のデータによると、実に68836カ所。これはコンビニと比べても15000軒以上多い数字です。とはいえ、コンビニと歯科医院の数の比較は、必ずしも公正とは言えません。というのも、歯科医院はコンビニよりもずっと歴史が長いのです。コンビニよりも数が多いのは当然とも言えるかもしれません。

 

しかし、やはりそれだけ数が多いと、一病院あたりの患者数は必然的に少なくなり、大きな売上を得られないのも事実です。さらに今は「ネットの口コミ」で歯科医師も選別される時代です。旧態依然とした“町の歯医者さん”というスタイルでは、今後はなかなか厳しいでしょう。

 

「歯医者の治療=痛い」というイメージは、一般市民の意識に深く根付いています。無痛治療を掲げる病院や、早く治療が済む病院に患者が流れるのは当然で、何も経営や宣伝に工夫を凝らさない開業医の収入は、どうしても少なくなってしまいます。そして、そこで働くスタッフ(歯科医衛生士や受付)なども、いいお給料はもらえません。

 

また深刻なのは、健康保険の対象となる治療に対し、歯科医院に支払われる診療報酬のうちの73項目もが、この20年間据え置きにされていることです。歯科医療費全体も、直近の10年で向上は見られません。それに対して歯科医の数は年々と増えています。それでは普通に働いていても儲からないのは当たり前でしょう。あるデータによると、歯科医の5人に1人は、「年収300万以下」という話もあります。

 

■今後、生き残る歯科医院を経営するためには

少し悪い言い方になりますが、ある意味で歯科医は、「虫歯を商売にしている」というようなものです。仮に未来に、虫歯が完全に克服されてしまえば、“町の歯医者さん”はほとんど姿を消すでしょう。これもよく噂されていることですが、風邪の特効薬ができれば、全国の薬局は消えてしまう――というような話と同じですね。

 

事実、それに近いことが、今はすでに起こり始めている状況です。国民全体の健康・衛生知識の向上、また子どもの歯に塗布するフッ素技術の向上により、虫歯になる患者の数は減ってきているのです。これはいよいよ、患者集めのための対策が「急務」と言えます。

 

今後、生き残るためには、どんな歯科医も、虫歯治療や歯周病治療などの従来の一次的な医療だけでなく、たとえば「ホワイトニング」や「歯列矯正」など、豊かな国における二次的な歯科医院としての治療、自費治療の審美歯科も展開していかなければならない時代です。そして、病院としてそういった特徴的な取り組みをしていることをアピールできる代理店やコーディネーターとも付き合い、広告にも力を入れなければならないでしょう。

 

そして、歯科医だけでなく、歯科医業界で働きたいという人たちも、そういった現代的な経営をしている歯科医院を見つけなければ、安定した給料は得られないかもしれません。