歯科医衛生士の今後については、ひとまず、不安の影は見当たらない――とは言えます。

 

もっとも、予防歯科がますます普及し、いよいよ虫歯になる人が激減してくるかもしれない数十年後の未来は、わかりません。とはいえ、それでも、先進国では現在、美容面での治療も広まってきているので、審美歯科(ホワイトニング)などの需要は当面、絶えないどころか、今後増えてくると思われます。それも歯科衛生士の仕事の領分ではあります。

 

■歯科医衛生士の現在の求人状況と今後

歯科衛生士は、歯科助手と違って、国家資格を取得した者だけが就ける職業です。

 

経験者や若い人たちの競争も激しい歯科助手とは違って、どちらかといえば歯科医療に携わる者の中では、余裕のある立場と言えます。活躍の場も広く、求人数はここ数年ずっと安定しており、将来性についても、2050年前後までは浮き沈みないとは見られています。

 

というのも、きたる「高齢化社会」のためです。

 

統計局によると、平成24年の調査で、全人口のうち24.1%が高齢者(65歳以上)という状況。2050年には、2.5人に1人が高齢者となると予測されており、入れ歯や在宅治療を受ける人の数もまた激増すると思われます。

 

人類の平均寿命は確実に伸びているわけですが、歯の健康寿命は必ずしもそれに比例するものではない現状があります。一時期よりは年を取っても健康な歯を維持する人が増えてきたようですが、今後、伸び続ける寿命に歯科治療が対応できるのかは大きな課題です。

 

歯石除去、正しい歯磨き指導など、歯科医衛生士の仕事は今後ますます重要となります。

 

■歯科医療は高度化している――未来の歯医者を想像してみよう

現在、先端的な歯科医療といえば、「インプラント」です。

 

インプラントは、歯を失った部分に人口の根を顎骨に埋め込んで、その上に人口歯を装着する治療法。今のところ保険には対応しておらず、自費治療となっています。患者さんにとっては負担の大きい医療ですが、率直なところ、病院側としては「儲かる医療」です。

 

しかもインプラントは、一度入れたらそのままではありません。定期的なケアや歯周病検査が必要とされ、そこで歯科医衛生士が果たす役割も大きいのです。さらにインプラントは、まだ進歩の途上にある段階であり、今後、ますます普及が進むと考えられています。

 

さらに未来のことを想像すれば――歯の再生医療という可能性もあるかもしれません。そこで歯科医衛生士に何ができるのか。

 

当面、それは現実的に考え得るものではなく、まず医師の対応というところから始まるものと思われますが、いざ産業化が始まれば歯科業界全体に関わることなので、無論、そこで歯科医衛生士が関わることも充分にありえます。

 

今、歯科医衛生士の勉強をしている方や、実際に資格を取った方は、十分に未来に希望を持てますね。有効活用するために、街のお医者さんでも、なるべく先進的な治療に取り組んでいる新しい歯科医院に仕事を求め、今後のための勉強をすることをおすすめします。