経験や知識のある歯科助手は、確かに病院に重宝されます。

 

しかし、病院が「求める歯科助手の人物像」には、それ以外のものもあります。

 

それが「子どもへの対応がうまい歯科助手」。自分かも…と思う人は、チャンスです。

 

■子どもを歯医者嫌いにさせないために――

大人でも、基本的に歯医者は苦手です。あの独特の雰囲気と痛みには慣れません。

 

それが怖いことや痛いことに敏感な子どもなら、なおさらです。一度歯をドリルで削られて、歯医者に苦手意識を持たない子どもはいないでしょう。しかし、最近は「予防」という意味もこめて、乳幼児でも定期健診に歯医者にやってくるということが増えています。

 

このようなシーンで、歯科助手は大きな役割を果すことになります。

 

すなわち、子どもに「怖くないよ」と伝えなければならないのですが、これができる歯科助手が、意外に多くありません。経験の多い歯科助手ほど、そういう基本的な部分ではちょっと無愛想だったり、ぞんざいだったりして、子ども心に恐怖心や歯医者の無機的な感じを植えつけてしまいます。結果、歯医者嫌いで治療をむずかる子どもが増えるのです。

 

そんな子どもが成長して――「ちょっと歯がおかしいな」と思っても、放っておいても仕方ないのに歯を放置して、後から痛い目を見る、歯医者嫌いな大人になってしまいます。

 

閑話休題。話を戻すと、子どもの扱いが上手な歯科助手は病院からもたいへん重宝されます。診察台に上がらせるまでの「笑顔」は基本です。

 

それだけでなく、たとえばさり気なく手を取ってあげるとか、治療の後には「大丈夫だった?」と声掛けしてあげるとか、そのような“ちょっとしたこと”が、子どもの歯医者への恐怖心や抵抗感を取り除きます。

 

「優しいお姉さんのいるところだ」――と子どもに思わせたら、こちらのものです。子どもを連れてくるお母さんともいいコミュニケーションができれば、「あの病院なら安心できるよ」とママ友の口コミで伝わり、あるいは増患につなげられるかもしれません。そうなれば、病院としても、あなたは「手放したくない歯科助手」となり、扱いも変化します。

 

■具体的な質問にも答えられれば百点満点の歯科助手に

子どもを予防歯科や虫歯の治療に連れてくる保護者も、やはり切実です。

 

無用に痛い思いをさせたくない、今後は歯医者にかからないようにさせてあげたい、という気持ちを持っています。そして、そのためにはどうすればいいか、歯科助手に質問をぶつけてくることがあります。

 

たとえば、「フッ素塗布とはどういうものなのか」「指しゃぶりは悪くないか」「お菓子が歯に与える影響はどうか」――などなど。このあたりは、病院でマニュアル化されている答えがあれば、覚えているその内容を答え、はっきりと院内で情報が共有されていない場合には、衛生士や医師に聞いて、自分なりの準備をしておくようにしましょう。

 

つまり、「子どもや保護者とのコミュニケーション能力+具体的な知識」――実務能力に加えて、この二つが揃えば、あなたは、歯科助手としては理想的な存在と言えます。