はじめに言うと、「歯科助手」という資格はありません。

 

国家資格が必要とされ、医師の治療をサポートし、歯石除去などの治療を行うのは「歯科衛生士」です。歯科衛生士という資格はありますが、歯科助手という資格はないのです。

 

よって、歯科助手は無資格でも働ける――というより、国が制度を設けていないので、歯科助手は一般に特別な資格を持ちません。求人さえあれば、すぐに働ける可能性もあります。

 

■歯科助手の仕事は“患者さんと医師との架け橋”

歯科的な知識も重ね、ある程度の経験を積み、熟達した歯科助手は、治療中に医師の傍についてバキュームやライトなどの役割を任されます。その気になれば、「できること」は増えてくるのです。しかし、基本的に、歯科助手の仕事は、病院の中の雑務です。受付やカルテの管理、患者さんへの応対が主となります。

 

具体的にイメージしてみましょう。あなたが歯医者さんに行って、

 

「**さん、診察室へお入りください」

 

と案内してくれるのが、歯科助手です。また、診察室の中で器具の片づけ、消毒、洗浄などに立ち働き、医師にカルテや器具などを渡しているのも、歯科助手。やはり病院としての規模が大きいほど歯科助手の数は増えます。仕事そのものは単純ですが、任される内容は意外なほど多いので、町のそこかしこで歯科助手の求人は比較的簡単に見つけられます。

 

歯科助手は“患者さんと医師との架け橋”といった立場です。高度な医療行為をするわけではないので(逆に歯科助手に患者の口の中を触らせるような病院はよくありません)、資格は不要。というよりも国家資格がなく、働きながら学ぶ意思があれば機会はあります。

 

■必要とされる歯科助手になるために

歯科助手は無資格でも目指せる職業ですが、運良くどこかの歯科医院に採用されたとしても、それはただの「仕事の入口」でしかありません。基本的な仕事しかできない歯科助手は、言い方は悪いですがいくらでも替えの利く人材なので、病院の状況次第ではフルタイムで働くことはできなかったり、同じ歯科助手の中でも、扱いに差は出てくることがあります。

 

病院に必要とされる歯科助手になるためには、上にも触れた通り、“働きながら学ぶ意思”が必要とされます。特に医療機関で耳にする器具や設備などの名称は、普段の生活では耳馴染みのないものばかりです。それが具体的に何を指し、何をするものであるのか、どのような取り扱いを必要とするのか(消毒、滅菌の方法など)を理解し、少しでも医師の役に立とうとする姿勢を見せれば、徐々に院内でも、頼られる立場を築くことができるでしょう。最初は難しく思えるかもしれませんが、実際、「歯科」という医療の一部分で専門的に用いられている言葉は、経験していく中で誰にでも自然に理解できる程度のものです。

 

そのように歯科助手として学習を積み、仕事にも熟達していけば、たとえば結婚や出産で一度ブランクが空いたとしても、経験者採用で次の職場を見つけるのに苦労しないかもしれません。何事も学んで損になることはないので、働くなら真剣に勉強してみてはいかがでしょうか。